東海道新幹線で海側の車窓を眺めていると、遠州灘沿いに立っている風車が目立つ。静岡県の海岸部で風力発電機が増えているのだ。
日本は広い平野部が少なく地形が複雑なため、一定の風向、風速の風が吹いているような場所は限られる。そのうえ、台風が毎年やってくる。そう考えると、大型風車が立ち並ぶウィンド・ファームというのは北海道などを除くと成り立ちにくいように思える。
東海道沿いの遠州灘は、台風というリスクは避けられないものの、一定の風が吹く比較的平坦な土地という条件には当てはまる。
【参考】
静岡県土木部のWebページ
ボランティアで運営している「風力発電ネットワーク」というWebサイトの、地域別の発電量を示す「日本の風力発電 JAPAN WIND TURBINE MAP」(pdf形式)によれば、数百KWクラスの中小規模の発電機と、最近稼動した2000kW級の大型発電機があるようだ。
風力発電の収益性はよく知らないが、素人考えでも、発電力が安定せず、強風時や落雷などでメンテナンスコストがかかり、設置面積あたりの発電力が火力・原子力に比べて低いなどの困難が想像される。
環境負荷が少ない、化石燃料など有限の資源への依存が少ないという長期的なメリットを踏まえて考えるべきだが、現時点では観光スポットとしての活用や啓蒙的な意味合いが強いのだと思う。
海岸沿いというのは風が安定して平坦と発電に有利なだけでなく、人家や観光地などからも見通しがよい、つまりよく目立つ。海岸沿いの風車はまだまだ増えることだろう。