人気ウェブログは頻繁に「無断引用」――ウェブログ間の情報の流れを解析(Hotwired)より
ネットにウェブログが爆発的に増えたことから、ウェブログあるいは、そこで取り上げられるトピックを研究する動きが起きている。「ブログマイニング」と呼ぶ人もいる。
米ヒューレット・パッカード(HP)社研究所の研究報告..
「本当に重要な情報を持つ人々には強いつながりがあるのだという推測がよく聞かれるが、実際には、強いつながりを持つ人々が重要な情報を持っている人の意見を聞いているだけではないかと、われわれは考えている」…略…
こうした点に興味を持った研究員たちは、米インテリシーク社のウェブ巡回プログラム『ブログパルス』(BlogPulse)が収集したデータの分析を始めた。ブログパルスは8万以上のウェブログを毎日巡回し、そこで言及されている人名、地名、事件を探り当てる。
研究チームは、さまざまなウェブログサイトで共通して扱われているリンクやトピックを図式化することにより、トピックはしばしば、比較的知名度の低い複数のウェブログに表われたのちに、より知名度の高いサイトに登場することを発見した。
ネタを見つけるのは、下々のモノたちで、広めるのはオピニオン・リーダということだろう。トピックに関しては現場・ストリートからのボトムアップが働いていると考えられる。
こうした流行のもととなる人たちを見つけだすのは難しい場合もある。興味深いアイディアやニュース記事を最初に指摘した人が、他のサイトで必ずしも引用元として名前を明記されるわけではないからだ。
実際に、HP研究所の調査でも、あるアイディアが10以上のウェブログに広がった場合、70%のウェブログが、そのアイディアについて自分たちよりも前に言及していたウェブログにリンクしていないことが明らかになっている。
トピックやアイデアがボトムアップし、再び還流するのは好ましい流れだ。この流れを維持、活性化するには、ぜひ引用元を明記すべきだ。これに好都合なシステムがトラックバックだと思うのだが、まだメジャーじゃないのだろうか?それとも、たまたま分析対象にしていなかっただけか?
2004年3月11日追記:どうも「無断引用」というコトバに引っかかっていたのだが、その引っかかりに触れている記事を見つけた。HotWiredの記事を元に、引用あるいはアイデアの借用について掘り下げている。ogil.net/blog: 自分から感染者になるウェブログたちより..
で「無断引用」ということなのですが、調査で使われた指標はリンクやトピックだそうなので「引用」ではないと思います。少し言葉が変ですね。整理しますと、「無断引用」はウェブログでは至極あたりまえに行われていることです。引用するときに特にネタ元へ許可を求めたりはせず無断で引用します。おそらくこの記事の言う「無断引用」とは参照元を明記せずにトピックや考えを盗んで書くことだと思います。「無断引用」というよりは「アイディアの借用」といったほうが分かりやすいですね。原文の題は”Warning: Blogs Can Be Infectious”ですからこちらの表現のほうが合っていると思います。
「引用」が、Webの中を還流・伝染していくことは自然なことで、なるべくならポジティブに活用したい。そのためには、引用元を示したり言及したことを引用元に伝えたり(トラックバックだ)することが、必要なマナーなんだと思う。
参考URI
- BlogPulse [BETA]: Automated Trend Discovery for Weblogs
- Blog Epidemic Analyzer
- 人気ウェブログは頻繁に「無断引用」――ウェブログ間の情報の流れを解析(2004年3月11日追記)
- Now We Are Forty: 人気ウェブログは頻繁に「無断引用」――Wired Newsより(2004年3月11日追記)
トラックバックありがとうございました。
私は書き手の視点から引用元は明記したほうが良いと記事に書きましたが、流れの維持という視点には説得力がありますね。
ボトムアップ、トップダウンの連続による流れ。その流れを維持するための広がりの明記。考えることは多そうですが引用元の明記に対する考えは変わらなそうです。