祖母の死と巡る命

7月27日の朝、親からの電話で26日深夜に88歳になるぼくの祖母が亡くなったことを知った。慌てて身支度をし、新幹線で郷里の和歌山に向かった。
祖母は長いあいだ介護施設にいて、ぼくの心の準備もある程度できていたし、88歳という年齢を考えれば、「悲しい」というよりは「淋しい」という感じだ。
そういえば、4年前に亡くなった祖父も92歳と長命だった。
新幹線の車中で読む本として、とっさに星野道夫の「イニュニック―生命」を手にしていた。アラスカの自然での生命の(そして死の)連鎖が描かれていて、何度も読み返した本なのに、新鮮に感じる。
同行した小学校1年生になる息子には、「おおばあば」の死が実感できていただろうか?
通夜の席、叔母がぼくの息子を指して「小さい頃のあんたにそっくりやわ」という。生命は循環しているのだろう。